フラガール
評価 ★★★★☆
監督 李相日
出演 松雪泰子 豊川悦司 蒼井優
作品紹介
昭和40年。エネルギーの需要は石炭から石油へとシフト、世界中の炭鉱が次々と閉山していた。そんな中、福島県いわき市の炭鉱会社は、地元の温泉を活かしたレジャー施設「常磐ハワイアンセンター」の計画を進めていた。目玉となるのは、フラダンスのショー。早速、本場ハワイでフラダンスを学び、松竹歌劇団で踊っていたという平山まどかを東京から招き、地元の娘たちのダンス特訓を始める。しかし数世代も前から山で生きてきた住民は、閉山して“ハワイ”を作る計画に大反対。まどかや娘たちへの風当たりも強く…。
秋、ですね。
昨年もそうだけど、秋になると見たい邦画が増えてきて嬉しい限りです。
と言うわけで、二人の「あおい」の映画を見てきました。
今回は蒼井優出演の「フラガール」です。
何を隠そう、私は福島出身のカントリーガール。
いわき市ではないけれど、スパリゾート・ハワイアンズには何度か行ったことがあります。もちろんフラダンスショーも鑑賞ずみ。
ところで、福島県は福島県民が思う以上に全国での知名度が低い。
例えて言うならば、はなわが出現する前の佐賀県並み。
関西で自己紹介をする際、
みやぽー 「福島の郡山出身です」
相手 「へー、奈良なの」 ←奈良県大和郡山市との間違い
みやぽー 「いえ、福島の」
相手 「ああ、大阪ね」 ←大阪市福島区との間違い
みやぽー 「だから、福島県なんです!」
相手 「なんだ、北陸?」 ←福井県との間違い
みやぽー 「・・・・・・」
このようなコントみたいなやり取りは度々。
その次には決まって「福島県の名物は?」と聞かれ、「会津磐梯山や猪苗代湖や『スパリゾート・ハワイアンズ』です」と意気揚々と答えるも、「福島なのにハワイかよ!」と言う厳しいツッコミをいただき、終了。結局は「何もない田舎」と受け止められ、そのたび悔しい思いをしていた。
そんなもんで、「スパリゾート・ハワイアンズが映画になる」と聞いても、そんなマイナーな映画誰が見るかい、と密かに自嘲していました(配給もシネカノンだし)。だから、「フラガール」がとても評判が良くて評価が高いのには本当にびっくりだった。そこで真偽の程を確かめるべく、慌てて見に行ってきました。
で、観て思った。
しずちゃん、ズルイよ、と。
コメディリリーフ的役割女優(?)に、あの展開はずるい。すっかり油断していたせいで、鎖骨には涙がたまりまくりでした。
それでなくても、中盤からは10分に一度は泣いた気がする。
はっきり言ってこの映画はベタベタ。
先生とチームとの関係の向上や、下手だったフラが上手になっていく過程は「クール・ランニング」のそれだし、保守派と先進派が対立している件は「リトル・ダンサー」のよう。炭鉱での事故は「我が谷は緑なりき」と言う感じで、過去の作品のおいしいとこ獲りのような気さえする。
だけど!私はこの映画が大好きだーー!
そのベタさが好きだーー!!
最後の圧巻のフラダンスショーでは、ムズムズと動きだそうとする自分の腰を止めるのに必死。よほど、フラガールたちと共に「ハアッ!」とか言って両手を挙げようかと思った。(それはなんとか理性が勝って思い止まった)
そして、この映画の主役は松雪泰子ではなく蒼井優だと改めて感じた。松雪さんも渾身の演技でとても良かったけど、これが旬の女優のオーラと言うものなのか、蒼井優には華があった。演技も上手だし、本当に先が楽しみな女優さんです。
そして、ワキを固める俳優陣も素晴らしい。岸部一徳はさすがの存在感。よくぞあそこまで福島弁をマスターした。
とにかく。これでようやく福島県の知名度も上がるというもの。しかも名産は「フラガール」で決まりだね。この努力の映画を見た後では、もう「福島なのにハワイかよ」とは簡単には突っ込めまい。
ただね、福島弁のなまりを聞いて笑うのはやめようね
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